○被扶養者認定取扱基準

令和3年2月18日

はじめに

地方公務員等共済組合法は、地方公務員又はその被扶養者の病気や負傷等に関して適切な給付を行うため、相互救済を目的とする共済組合の制度を設け、給付や福祉事業に関する必要な事項を定め、もって地方公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するとともに、公務の能率的運営に資することを目的としています。

被扶養者に認定されれば様々な給付を受けることができますが、その財源である組合員の掛金(保険料)や所属所の負担金の算定においては、被扶養者の収入も含めた世帯収入は用いず、被扶養者の人数等を加味した割増掛金の賦課などもありません。

一方、高齢者医療制度への拠出金や、介護納付金等の算定対象となる加入者数には被扶養者も含まれています。

被扶養者のそうした医療費や拠出金は、組合員の掛金及び所属所の負担金で賄われており、短期給付財政の運営面からも被扶養者の認定は慎重に行う必要があります。

被扶養者は主として組合員の収入により生計を維持するものと定義されており、その認定については一般職の給与に関する法律(昭和25年法律第95号)における扶養親族に係る扶養事実の認定の例及び健康保険法(大正11年法律第70号)における被扶養者の認定の取扱いを参酌して行うこととされています。

当組合では、被扶養者の認定に当たり「被扶養者認定の手引き」を定めて事務を行ってまいりましたが、近年の少子高齢化や核家族化などに伴う家族構成の変化や、短期雇用契約や登録型勤務などの働き方の多様化に対応するため、新たに取扱基準を定めました。

この基準は協会けんぽや福岡県の取り扱いなども参考にしながら十分に検討したうえで作成していますが、被扶養者の認定及び取消においては様々なケースがあり、事例によっては本基準に照らしても一律に処理し難い場合があります。

組合員及び被扶養者との相互理解を基本とし、より公平で適正な取り扱いを目指して事務を行ってまいりますので、皆さまのご理解とご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

目次

第1 目的

第2 被扶養者の範囲と認定要件

1 被扶養者の範囲

2 定義

3 被扶養者として認定できない者

第3 収入基準

1 組合員の年間収入

2 被扶養者の認定における収入

3 収入の範囲

4 収入基準額

5 収入の算定方法

第4 被扶養者の生計維持

1 18歳以上60歳未満の者の取扱い

2 認定対象者の収入に係る取扱い

3 認定対象者に係る具体的な取扱い

4 別居している者の取扱い

第5 被扶養者の申告

1 扶養認定日

2 扶養取消日

第6 被扶養者資格確認調査

第7 配偶者からの暴力を受けた被扶養者の取扱い

第8 その他

別表第1 三親等内親族図

別表第2 国内居住要件の例外措置

別表第3 事業収入等の必要経費

別表第4 被扶養者認定に係る提出書類一覧

別表第5 被扶養者取消に係る提出書類一覧

参考

福岡県市町村職員共済組合被扶養者認定取扱基準

第1 目的

この基準は、福岡県市町村職員共済組合(第8を除き、以下「組合」という。)が地方公務員等共済組合法(昭和37年法律第152号。以下「法」という。)、地方公務員等共済組合法施行令(昭和37年政令第352号)、地方公務員等共済組合法施行規程(昭和37年総理府・文部省・自治省令第1号。以下「施行規程」という。)及び地方公務員等共済組合法運用方針(昭和37年10月3日自治甲公10)その他法令で定めるところに従い、法第2条第1項第2号に規定する被扶養者の認定等を公正かつ適正に行うことを目的とする。

第2 被扶養者の範囲と認定要件

1 被扶養者の範囲

被扶養者とは、次に掲げる者で主として組合員の収入により生計を維持するものであって、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学する学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基盤があると認められるものをいう。

(1) 組合員の配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

(2) 組合員と同一の世帯に属する三親等内の親族で前号に掲げる者以外のもの

(3) 組合員の配偶者で届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子並びに当該配偶者の死亡後におけるその父母及び子で、組合員と同一の世帯に属するもの

2 定義

(1) この基準において「配偶者」とは戸籍法(昭和22年法律第224号)の規定するところにより市区町村等に婚姻の届出をした者を、「届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者」とは婚姻の意思があり、届出をすれば法律上の配偶者となり得る者をいう。

(2) この基準において「子」とは、実子及び養子をいう。

(3) この基準において「父母」とは、実父母及び養父母をいう。

(4) この基準において「孫」とは、実子の実子、実子の養子、養子の実子及び養子の養子をいう。

(5) この基準において「祖父母」とは、実父母の実父母、実父母の養父母、養父母の実父母及び養父母の養父母をいう。

(6) この基準において「兄弟姉妹」とは、実父母の子である兄弟姉妹及び養父母の子である兄弟姉妹をいう。

(7) この基準において「三親等内の親族」とは、三親等内親族表(別表第1)に掲げる三親等内の血族及び姻族をいう。

(8) この基準において「主として組合員の収入により生計を維持する」とは、組合員の収入が世帯の生計費の中心を担っている状況であり、恒常的に、組合員により経済的に扶養されている実態があることをいう。

(9) この基準において「組合員と同一の世帯に属する」とは、組合員と生計を共にし、かつ、同居している場合をいう。この場合において、次に掲げる場合は、組合員と同一の世帯に属するものに準じて取り扱う。

なお、二世帯住宅や同一敷地内に親世帯の家と子世帯の家がある場合等日常生活において自立した生活を営む居住形態は、同一世帯に属するものには該当しない。

ア 病院勤務の看護師のように勤務上別居を要する場合若しくはこれに準ずる場合又は転勤等に際して自己の都合により一時的に別居を余儀なくされる場合

イ 組合員と同居していた者が、医療機関への長期入院や出産のための帰省等生活の本拠は自宅であるが、やむを得ない事情により一時的に別居している場合

ウ 組合員と同居していた者が、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設等の老人福祉法(昭和38年法律第133号)、介護保険法(平成9年法律第123号)、身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)又は知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)に規定される施設等に入所している場合

3 被扶養者として認定できない者

次に掲げる者は、被扶養者として認定できない者として取り扱う。

(1) 日本国内に住所を有しない者

国内居住要件の例外は、別表第2のとおりとする。

(2) 共済組合の組合員、健康保険の被保険者若しくは船員保険の被保険者である者又はその被扶養者に認定されている者

(3) その者について、組合員以外の者が扶養手当又はこれに相当する手当を地方公共団体、国その他の団体から受けている者

(4) 組合員が他の者と共同して同一人を扶養する場合において、社会通念上、その組合員が主たる扶養者でない者

(5) 年額130万円以上の収入がある者。ただし、国民年金法(昭和34年法律第141号)及び厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)に基づく年金たる給付その他の公的な年金たる給付のうち障害を支給事由とする給付(以下「障害年金等」という。)の受給要件に該当する程度の障害を有する者である場合又は60歳以上の者である場合にあっては、年額180万円以上の収入がある者

(6) 高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)第50条の規定による後期高齢者医療の被保険者及び同条各号のいずれかに該当する者で同法第51条の規定により後期高齢者医療の被保険者とならない者

第3 収入基準

扶養認定に当たっては、組合員の収入及び認定対象者の収入に基づき判定を行う。

1 組合員の年間収入

組合員の年間収入は、次の計算式により算定する。

年間収入=標準報酬月額×(12月+期末手当等相当月数)

2 被扶養者の認定における収入

被扶養者の認定における収入は、認定を受けようとするときから将来に向けた恒常的な収入の現況により算定する。

したがって、年間収入は、暦年又は年度によって期間を限定して捉えるのではなく、認定を受けようとするとき以降1年間に見込まれる収入をいう。

また、過去において認定基準以上の収入があっても、認定を受けようとするときに収入がない場合は、収入がないものとして取り扱う。

3 収入の範囲

被扶養者認定における収入(認定対象者のほか、組合が収入確認を必要とする全ての者の収入をいう。)は、所得税法(昭和40年法律第33号)上の所得を指すものではなく、給与、年金を始め、事業収入、不動産収入、利子収入等次に掲げる全ての収入を基に算定する。

(1) 給与収入等

給料、賞与、手当、賃金、報酬等及び諸手当(通勤手当等を含む。)を含み、税や雇用保険料等が控除される前の総収入額をいう。

(2) 年金収入等

国民年金、厚生年金、共済年金、企業年金、恩給等、非課税の遺族年金及び障害年金を含み、税や社会保険料が控除される前の総支給額をいう。

(3) 事業収入及び不動産収入

商工業、農漁業その他の事業から生ずる収入及び土地、家屋、駐車場、倉庫等の賃貸等による収入から、その事業を行うに当たって必要不可欠な直接的経費であると組合が認めた費用(別表第3)のみを控除した額をいう。

なお、事業(農業を含む。)収入について、事業(家業)に従事している者と収入の名義人が異なる場合は、名義上の収入の帰属にかかわらず、実際に事業に従事している者の収入として取り扱う。

(4) 利子収入及び配当収入

預貯金利子、株式配当金、有価証券利息等をいう。

(5) 株式等取引による譲渡収入

株、投資信託、外国為替証拠金取引(FX)、先物取引等のいわゆる資産運用に係る収入をいう。

なお、株式等の譲渡収入については、一度に全て売却した時のみ一時的な収入として被扶養者認定における収入には含まないこととするが、それらの資産を保有し続け、運用取引をすることにより生ずる収入は、恒常的収入として収入に含む。また、繰越損失金は、考慮しない。

(6) 社会保険各法に基づく給付金

失業給付(基本手当等)、傷病手当金、出産手当金等をいう。

(7) その他の収入

各種個人年金及びその他全ての収入をいう。

なお、個人年金については、受給額をもって収入額とし、事前に納付している掛金等(所得税法上の必要経費)は、被扶養者認定においては必要経費とは認めない。

4 収入基準額

認定における収入基準額は、年額130万円とする。

ただし、障害年金等の受給要件に該当する程度の障害を有する者又は60歳以上の者は、年額180万円とする。

区分

右記以外の者

障害年金等の受給要件に該当する程度の障害を有する者又は60歳以上の者

年額

130万円

180万円

月額

(年額÷12月)

108,334円

(賞与の支給がない場合)

180万円から年金額を除いた額を12月で除した額及び30日で除して円未満を切り上げた額

日額

(月額÷30日)

3,612円

5 収入の算定方法

各収入の算定方法は、次のとおりとする。

なお、次に定める収入が複数ある場合は、全ての収入を合算する。

(1) 給与収入等

原則として給与月額により判断するが、賞与等がある場合は、給与月額を年額に換算した額に賞与等を加算した年額により判断する。

ア 雇用契約書等により給与月額が月額基準額以上となることが明らかである場合は、恒常的に基準額を超える収入があるものとみなす。

イ パート、アルバイト等月々の給与収入が変動する場合は、連続する3か月の平均給与月額が月額基準額以上となったときは、恒常的に基準額を超える収入があるものとみなす。

なお、連続する3か月の平均給与月額が月額基準額以上となった場合でも、過去の勤務実績等により、当該3か月を含む今後1年間の収入が収入基準額以上とならないことが明らかである場合は、この限りでない。

《再認定の制限》

パート、アルバイト等の給与収入が収入基準額を超えたことにより認定取消しを行った者については、その後、雇用条件の変更により収入基準額未満となることが明らかである場合を除き、直近1年間の給与収入が収入基準額未満である月が3回連続した場合に再認定するものとする。

(2) 年金収入

年金決定通知書又は改定通知書に記載された支給年金額とする。

なお、当該年金額が収入基準額以上となったときは、その年金額を知り得た日(年金決定通知書や年金改定通知書を受け取った日等)をもって恒常的に基準額を超える収入があるものとみなす。

(3) 事業収入等

確定申告を行うことにより確定した事業の総収入から、その収入を得るために必要不可欠であると組合が認める経費(別表第3)を控除した額を、今後1年間に見込まれる事業収入とし、その額が収入基準額以上であり、今後も同程度の収入が見込まれる場合は、恒常的に基準額を超える収入があるものとみなす。

この場合において、原則として、確定申告の受付締切日である3月15日をもって被扶養者の資格を取り消す。

《事業収入に関する取扱いの特例》

・ 事業開始時点や事業の拡大、相続等、明らかに収入基準額以上となることが予測できた場合は、その時点をもって被扶養者の資格を取り消す。

・ 従業員を雇い、1人に対し年間130万円以上の給料賃金又は雇人費を経費として支出しているときは、他の者の生計を成り立たせる能力があると考えられることから、被扶養者とはならない。

・ 同居の親族に対する給料賃金は、必要経費とは認めない。

(4) 失業給付等

雇用保険法(昭和49年法律第116号)に基づく失業給付等の受給については、支給日額が日額基準額以上となる場合は、その受給期間中は恒常的に基準額を超える収入があるものとみなす。

第4 被扶養者の生計維持関係

主として組合員の収入により生計を維持することの認定に関しては、一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号。以下「一般職給与法」という。)第11条第2項に規定する扶養親族に係る扶養の事実の認定の例及び健康保険法(大正11年法律第70号)における被扶養者の認定の取扱いを参酌して行う。

1 18歳以上60歳未満の者の取扱い

満18歳以上60歳未満の者で次に掲げる者以外のものについては、通常稼動能力があるものと考えられる場合が多いので、扶養事実及び扶養しなければならない事情を具体的に調査確認し、判断する。

(1) 一般職給与法第11条に相当する給与条例の規定により扶養親族(給与条例の適用を受けない組合員にあっては、これに相当するもの)とされている者

(2) 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校の学生(定時制、通信制又は夜間課程の学生を除く。)

(3) 所得税法第2条第1項第33号の2又は第34号に規定する控除対象配偶者又は扶養親族とされている者

(4) 病気又は負傷のため就労能力を失っている者

2 認定対象者の収入に係る取扱い

(1) 認定対象者が組合員と同一の世帯に属する場合

認定対象者の恒常的な年間収入が130万円(180万円)かつ組合員の年間収入の2分の1未満であること。

なお、2分の1以上の収入があっても、当該世帯の状況を総合的に勘案して組合員がその世帯における生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、この限りでない。

(2) 認定対象者が組合員と同一の世帯に属しない場合

認定対象者の恒常的な年間収入が130万円(180万円)未満で、組合員からの仕送り額よりも少ないこと。

なお、組合員以外の者から援助を受けている場合は、当該援助額を合算した額が組合員からの仕送り額よりも少ないこと。

3 認定対象者に係る具体的な取扱い

(1) 配偶者

ア 配偶者は、原則として扶養手当の支給状況に準じて認定を行う。

イ 「届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者」の確認は、原則として住民票での「妻(未届)」又は「夫(未届)」の記載により行う。

(2) 子

ア 18歳未満の子は、原則として扶養手当の支給状況に準じて認定を行う。

イ 学校教育法第1条に規定する学校の学生(同法第53条、第54条及び第86条に規定する定時制課程の学生、通信制課程の学生、夜間課程の学生及び通信による教育を受けている学生を除く。)である子は、扶養手当の支給状況及び在学証明書又は学生証の写し(当年度交付又は有効期限の記載があるものに限る。)により確認する。

(3) 子に係る共同扶養

組合員が他の者と共同して同一人を扶養している場合は、その家計の実態や社会通念等を総合的に勘案して判断する。ただし、夫婦が子を共同して扶養する場合は、次のとおり取り扱う。

ア 一般職給与法に規定する扶養手当又はこれに相当する手当の支給が行われている場合は、その支給を受けている者の被扶養者とする。

イ 夫婦双方の年間収入が同程度(年間収入額の高い者を基準に1割以内の差)である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、届出により主として生計を維持する者の被扶養者とする。

ウ 夫婦が複数の子を扶養する場合、原則としてそれぞれが子を別々に扶養するのではなく、年間収入が多いどちらか一方の被扶養者とする。

(4) 父母

ア 認定対象者に配偶者がいる場合の認定に当たっては、夫婦の扶助義務(民法(明治29年法律第89号)第752条等)の観点から、その夫婦の年間収入の合算額を基準として判断する。

一方の収入が収入基準額未満であっても、双方の収入を合算したときに、社会通念上十分に生活保持できると考えられる場合(夫婦の合算収入が合算収入基準額以上となる場合)は、認定できない。

《合算収入基準額》

夫婦が共に60歳未満

年額260万円

夫婦の一方が60歳以上

年額310万円

夫婦が共に60歳以上

年額360万円

(障害年金等の受給要件に該当する程度の障害を有する者は、60歳以上の者と同様に取り扱う。)

イ 父母を認定する際、組合員以外にも親と同居している兄弟姉妹がいる場合は、原則として収入が一番多い者を第一扶養義務者とする。

(5) 兄弟姉妹

ア 認定対象者に配偶者、父母等組合員と同順位以上の扶養義務者がいる場合は、生活保持義務及び生活扶助義務の観点から、組合員以外の扶養義務者の扶養能力等を勘案して判断する。

イ 未成熟の兄弟姉妹を認定する際、認定対象者である兄弟姉妹に父母がいる場合は、兄弟姉妹の扶養義務は父母が優先するため原則として認定できない。

ただし、父母に扶養能力がない場合は、扶養の実態を具体的に調査確認し、判断する。

(6) 祖父母

祖父母については、(4)の父母の取扱いに準ずるが、祖父母の扶養義務は、父母が優先するため原則として認定できない。

ただし、父母に扶養能力がない場合は、扶養の実態を具体的に調査確認し、判断する。

(7) 孫

孫の扶養義務は、子が負っているため原則として認定できない。

ただし、子に扶養能力がない場合は、扶養の実態を具体的に調査確認し、判断する。

(8) 義父母

義父母については同居要件があり、また実子を第一扶養義務者と考えるため、その者に収入があり健康保険等に加入している場合は、原則として認定できない。

ただし、その者に扶養能力がない場合は、扶養の実態を具体的に調査確認し、判断する。

4 別居している者の取扱い

組合員と別居している者の認定については、その収入が認定基準額未満であることに加え、組合員からの仕送り状況、同居者の有無等扶養の実態を調査し、組合員が主たる生計維持者であることを確認し判断する。

既に被扶養者として認定されている者と別居した場合についても、次に掲げる要件を満たす必要がある。

(1) 仕送り額

別居している者については、組合員からの継続的な仕送りによる生活費の援助が必要となる。

仕送り額は、別居の認定対象者の収入(組合員以外の者からの仕送り等を含む。)以上かつ年間合計65万円以上の金額であることを条件とする。

なお、仕送り後の組合員世帯と認定対象者世帯の1人当たり平均生計費が逆転する場合は、原則として認定できない。

《組合員世帯と認定対象者世帯の世帯平均生計費の比較》

画像

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組合員世帯平均生計費<認定対象者世帯平均生計費

となる場合は、原則として認定できない。

※「世帯」とは、同一生計にある全ての者をいう。

(2) 仕送り方法

仕送り方法は、金融機関からの振込みとし、現金の手渡しや現物(食料、衣料等)を渡すことによる方法は、認められない。

また、被扶養者の毎月の生活を経済的に支援する資金であることから、毎月一定額を送金することを原則とする。

(3) 別居の認定対象者に同居者がいる場合

別居の認定対象者が組合員以外の者と同居している場合(父母を認定対象者とする場合の兄弟姉妹や、兄弟姉妹を認定対象者とする場合の父母等)は、原則として同居している者を組合員よりも優先して扶養する者として取り扱い、同居者の収入や扶養できない事情を具体的に調査確認し、その者が無収入や低収入である場合を除き組合員の被扶養者としては認めない。

なお、父母のみの場合は、次のとおり取り扱う。

《別居の父母の認定》

区分

仕送り額

認定の可否

父母ともに収入基準額未満の収入

父母の収入の合算額以上

父母ともに認定可

父母の収入の合算額の1/2以上

収入の少ない者のみ可

父母の収入の合算額の1/2未満

父母ともに不可

父母の一方が収入基準額未満の収入

父母の収入の合算額の1/2以上

収入基準額未満の収入の者のみ可

父母の収入の合算額の1/2未満

父母ともに不可

※ 組合員以外の者から援助を受けている場合は、当該援助額を父母の収入の合算額に含むものとする。

※ (1)の組合員世帯との世帯平均生計費の比較も併せて行った上で判断する。

(4) 日本国内に住所がない場合

被扶養者は、日本国内に住所を有する者であることが必要であるが、国内居住要件の例外(別表第2)に該当する場合は、日本国内に住所がなくても日本国内に生活の基礎があると認められる者として取り扱う。

第5 被扶養者の申告

次に掲げる要件が生じた組合員は、遅滞なく被扶養者申告書に各種書類(別表第4及び別表第5)を添え、所属所長を経由して組合に届け出なければならない。

(1) 新たに組合員となった者に被扶養者の要件を備える者がいるとき。

(2) 新たに被扶養者となる要件を備える者が生じたとき。

(3) 被扶養者がその要件を欠くに至ったとき。

1 扶養認定日

扶養認定日は、新たに組合員となった日又は新たに被扶養者となる要件を備える者が生じたときは、その事実が生じた日とする。

ただし、組合員となった日又は事実が生じた日から30日以内に届出がされなかった場合は、その届出を所属所長又は組合が受理した日とし、その間に生じた医療費等の給付は行わない。

《扶養認定事由と認定日》

認定事由

認定日

新たに組合員となったとき

新たに組合員となった日

出生

出生の日

婚姻

入籍日

養子縁組

入籍日

離職

離職日の翌日

年金収入が収入基準額未満となったとき

年金額改定通知書等を受け取った日

事業収入が収入基準額未満となったとき


① 確定申告により収入基準額未満となったとき

① 確定申告締切日(3月15日)

② 契約等により収入基準額未満となることが明らかになったとき

② 契約期間の末日の翌日(契約終了の場合)

収入基準額未満となることとなった契約期間の初日(契約変更の場合)

③ 廃業したとき

③ 廃業日の翌日

給与収入が収入基準額未満となったとき


① 雇用条件の変更により収入が減少したとき

① 雇用条件が変更となった日

② 過去1年間の収入が収入基準額未満となったとき

② 収入基準額未満となった月の翌月初日

※扶養取消後の再認定の場合は、取消日から3か月を経過した日以降

雇用保険受給終了

支給対象期間の末日の翌日

同居開始

住民票記載の転入日

扶養者の変更

ケースによって異なる

その他

原則として届出を所属所が受理した日

2 扶養取消日

扶養取消日は、被扶養者の要件を欠くに至った日を原則とする。

したがって、申告が遅れると過去に遡って取り消すこととなるので、法の規定により届出の責務を負う組合員は、その間にかかった医療費等を返還する義務が生ずる。

《扶養取消事由と取消日》

取消事由

取消日

死亡

死亡した日の翌日

離婚又は離縁

離婚又は離縁の成立日

就職


① 健康保険等に加入した場合

① 健康保険等資格取得日

② 健康保険等は未加入だが、雇用契約等により収入基準額以上の収入が見込まれるとき

② 就職日

年金収入が収入基準額以上となったとき

年金額の決定通知書又は改定通知書等を受け取った日

事業収入が収入基準額以上となったとき


① 確定申告により収入基準額以上となったとき

① 確定申告締切日(3月15日)

② 契約等により収入基準額以上となることが明らかになったとき

② 収入基準額以上となることとなった契約期間の初日

③ 事業を開始し、又は相続したことにより収入基準額以上となることが明らかになったとき

③ 事業開始日・相続開始日(被相続人の死亡日等)

給与収入が収入基準額以上となったとき


① 雇用契約の給与月額又は給与月額を年額に換算し、賞与等を加えた年額が月額基準額又は収入基準額以上となったとき

① 雇用契約の初日

② 雇用条件の変更により収入基準額以上となったとき

② 雇用条件が変更となった日

③ 連続する3か月の平均給与月額が月額基準額以上となり、今後も同様の収入が見込まれるとき

③ 月額基準額以上となった月の翌月初日

雇用保険等(失業給付の基本手当・傷病手当金等)の受給日額が日額基準額以上となったとき

支給対象期間の初日

別居

住民票記載の転出日

後期高齢者医療制度に加入したとき


① 75歳到達

① 75歳の誕生日(届出不要)

② 65歳以上75歳未満で一定の障害がある場合

② 後期高齢者医療制度の認定日

第6 被扶養者資格確認調査

組合は、既に被扶養者として認定されている者について、施行規程第100条第2項の規定により準用する施行規程第97条第1項の規定に基づきその要件を継続して備えていることの確認調査を実施する。

調査により、被扶養者としての要件を備えていないことが判明した場合は、原則としてその要件を欠くに至った日に遡り認定を取り消す。

また、正当な理由なく調査に応じない場合又は必要書類の提出がない場合は、被扶養者の要件を継続して備えていることの確認ができないので、施行規程第100条第2項の規定により準用する施行規程第97条第4項の規定により、組合員被扶養者証は無効とする。

これにより、医療費等の返還が生じたときは、組合員に請求を行い、組合員は、支払の義務を負う。

第7 組合員等からの暴力等を受けた被扶養者の取扱い

被扶養者の認定取消しは、原則組合員からの申告に基づき行われるが、組合員等からの暴力等を受けた被扶養者(以下「被害者」という。)が被扶養者から外れることについては、当該組合員から届出がなされなくとも、当該被害者から、組合員と当該被害者が生計維持関係にないことを申し立てた申出書とともに、児童相談所及び婦人相談所、高齢者虐待に関する相談・通報窓口、障害者虐待に関する相談・通報窓口、配偶者暴力相談支援センター、自治体等の公的機関から発行された組合員等からの暴力等を理由として保護(来所相談を含む。)した旨の証明書を添付して、当該被害者が被扶養者から外れる旨の申出がなされた場合に、組合は認定を取り消すことができる。また、当該被害者の同伴者又は同伴者のみが被扶養者となっている場合についても同様に取り扱うことができる。

第8 その他

被扶養者の認定基準に関しては、各保険者の裁量に委ねられており、本基準は、その他の組合(地方職員、公立学校職員、警察職員、国家公務員、各指定都市職員、各都市職員又は各県市町村職員の共済組合)の取扱いとは異なる場合がある。

この基準に定めるもののほか、被扶養者の認定等に関し必要な事項が生じたときは、別途協議する。

この基準は、令和3年7月1日から施行する。

(令和3年6月21日)

この基準は、令和3年6月25日から施行する。

(令和5年1月19日)

この基準は、令和5年4月1日から施行する。ただし、第3の3、別表第4及び別表第5の改正は、令和5年1月1日から適用する。

別表第1 三親等内親族図

画像

別表第2 国内居住要件の例外

例外として認められる事例

確認書類

① 外国において留学をする学生

ビザ、学生証、在学証明書、入学証明書等の写し

② 外国に赴任する組合員に同行する者

ビザ、海外赴任辞令、海外の公的機関が発行する居住証明書等の写し

③ 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者

ビザ、ボランティア派遣機関の証明、ボランティアの参加同意書等の写し

④ 組合員が外国に赴任している間に当該組合員との身分関係が生じた者であって、②と同等と認められるもの

出生や婚姻等を証明する書類等の写し

⑤ ①から④までに掲げるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者

※個別に判断

※ 上記に該当する場合は、「国内居住要件の例外届出書(海外特例)」に確認書類を添付して提出すること。

別表第3 事業収入等の必要経費

必要経費の取扱いは、業種や経費の内容等によって異なるが、確定申告用の収支内訳書に記載されている経費の取扱いは次のとおりとする。

一般所得

農業所得

不動産所得

科目

認否

科目

認否

科目

認否

売上原価

雇人費(注1)

給料賃金(注1)

給料賃金(注1)

小作料・賃借料

減価償却費

×

外注工賃

×

減価償却費

×

貸倒金

×

減価償却費

×

貸倒金

×

地代家賃(注2)

×

貸倒金

×

利子割引料

×

借入金利子

×

地代家賃(注2)

×

その他の経費

租税公課

×

その他経費

租税公課

×

利子割引料

×

種苗費

損害保険料

×

その他の経費

租税公課

×

素畜費

修繕費

荷造運賃

×

肥料費

雑費

×

水道光熱費(注2)

×

飼料費



旅費交通費(注3)

×

農具費



通信費(注2)

×

農薬衛生費



広告宣伝費

×

諸材料費



接待交際費

×

修繕費



損害保険料

×

動力光熱費



修繕費

作業用衣料費

×



消耗品費

農業共済掛金

×



福利厚生費

×

荷造運賃手数料

×



雑費

×

土地改良費





雑費

×




(注1) 従業員を雇い、1人に対し年間130万円以上の給料賃金又は雇人費を経費として支出しているときは、他の者の生計を成り立たせる能力があると考えられることから、被扶養者とはならない。

また、同居の親族に対する給料賃金は、原則必要経費とは認めない。

(注2) 地代家賃、水道光熱費、通信費については事業分と家計消費分とが明確に区分されている場合のみ認める。

(注3) 訪問販売における旅費交通費など職種によって認める場合もある。

別表第4 被扶養者認定に係る提出書類一覧

(1)(2)それぞれ必要な書類を提出してください。また、下記添付資料のほか必要に応じて関連資料の提出を求めることがあります。

(1) 認定対象者ごとに必要な書類

○:必須 △:該当者のみ

認定対象者

提出書類

配偶者

(内縁関係は同居のみ)

(養)

(養子縁組をしていない配偶者の子は同居のみ)

父母・祖父母

(義父母は同居のみ)

孫・兄弟姉妹

備考

同居

別居

同居

別居

同居

別居

同居

別居

被扶養者申告書

(共済所定様式)


扶養事実申立書

(共済所定様式)

子の出生について、当該子に係る扶養手当が支給される場合は提出不要

(被扶養者申告書のみで可)

一人当たり平均生計費確認表(別居認定用)

(共済所定様式)






学生である子は提出不要

戸籍謄本(続柄が記載されたもの)







養子縁組をしている場合

住民票謄本








内縁の配偶者は必須

配偶者の所得を確認できる書類※1








仕送りを確認できる書類※2






学生である子は提出不要

国民年金第3号被保険者関係届







20才以上60歳未満の配偶者の場合

※1 父母等夫婦のいずれかの認定申請の場合、夫婦合算収入を調査するため必要

※2 同一通帳における通帳及びキャッシュカードによる入出金は仕送りの事実が確認できないため不可

(2) 認定事由ごとに必要な書類

○:必須 △:状況により必要

認定事由


提出書類

婚姻

※1

退職

雇用保険受給終了

任意継続資格喪失

恒常的な収入がある場合

扶養者の変更

備考

給与収入

事業収入

年金収入

その他の収入

所得証明書※2

23歳未満の子は在学証明書

又は学生証の写し※3でも可

雇用証明書

(共済所定様式)










確定申告書及び収支内訳書の写し









廃業した場合は、税務署等に提出する廃業届の写し等を添付

年金額改定通知書又は年金支払通知書の写し










その他収入を確認する書類










資格喪失証明書又は退職証明書









雇用保険離職票又は雇用保険受給資格者証の写しでも可

雇用保険受給資格者証(第1面・第3面)又は雇用保険受給資格通知の写し









「支給終了」の印字があるもの

任意継続資格喪失証明書










被扶養者資格喪失証明書










※1 婚姻による認定の場合は、扶養事実申立書の理由欄に婚姻日を記入すること

※2 18歳以上の者。個人番号の記入及び同意欄に署名がある場合は省略可

※3 学生証の写しは当年度交付又は有効期限の記載があるものに限る。

別表第5 被扶養者取消に係る提出書類一覧

取消事由

提出書類

備考

就職

健康保険証等の写し又は雇用証明書


失業給付(基本手当等)を受給

雇用保険受給資格者証(第1面・第3面)又は雇用保険受給資格通知の写し

日額3,612円以上の場合

給与収入の増額

雇用証明書

パート・アルバイト含む

年金の決定又は増額

年金決定通知書又は年金改定通知書の写し

年金の受給開始又は支給額の改定の場合

事業収入の増額

事業開始・相続日が確認できる書類(開業届・被相続人の死亡が確認できる書類等)

確定申告書及び収支内訳書の写し


死亡

埋火葬許可証の写し

又は死亡診断書の写し


離婚

戸籍謄本又は離婚の事実が確認できる書類


別居

住民票


婚姻

戸籍謄本又は婚姻の事実が確認できる書類


他の者の被扶養者となった場合

健康保険証等の写し


【注意事項】

1 「組合員被扶養者証」(高齢受給者証等を含む。)を必ず返納すること。

2 上記の添付書類のほか必要に応じて関連資料の提出を求めることがある。

3 国民年金第3号被保険者に係る届出は、就職等による国民年金第2号被保険者の資格取得及び死亡時を除き、必ず提出すること。

参考

被扶養者認定関連法令抜粋

地方公務員等共済組合法

(定義)

第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 (略)

二 被扶養者 次に掲げる者(後期高齢者医療の被保険者(高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80)第50条の規定による被保険者をいう。)及び同条各号のいずれかに該当する者で同法第51条の規定により後期高齢者医療の被保険者とならないもの(以下「後期高齢者医療の被保険者等」という。)その他健康保険法(大正11年法律第70号)第3条第7項ただし書に規定する特別の理由がある者に準じて主務省令で定める者を除く。)で主として組合員(短期給付に関する規定の適用を受けないものを除く。以下この号において同じ。)の収入により生計を維持するものであつて、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして主務省令で定めるものをいう。

イ 組合員の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

ロ 組合員と同一世帯に属する三親等内の親族でイに掲げる者以外のもの

ハ 組合員の配偶者で届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子並びに当該配偶者の死亡後におけるその父母及び子で、組合員と同一の世帯に属するもの

三~六(略)

2 前項第2号の規定の適用上主として組合員の収入により生計を維持することの認定及び同項第3号の規定の適用上組合員又は組合員であつた者によつて生計を維持することの認定に関し必要な事項は、政令で定める。

3 (略)

4 この法律において、「配偶者」、「夫」及び「妻」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする。

(被扶養者に係る届出及び短期給付)

第55条 新たに組合員となつた者に被扶養者の要件を備える者がある場合又は組合員について次の各号のいずれかに該当する事実が生じた場合には、その組合員は、主務省令で定める手続により、その旨を組合に届け出なければならない。

一 新たに被扶養者の要件を備える者が生じたこと。

二 被扶養者がその要件を欠くに至つたこと。

2 被扶養者に係る短期給付は、新たに組合員となつた者に被扶養者となるべき者がある場合にはその者が組合員となつた日から、組合員に前項第1号に該当する事実が生じた場合にはその事実が生じた日から、それぞれ行うものとする。ただし、同項(第2号を除く。)の規定による届出がその組合員となつた日又はその事実の生じた日から30日以内にされない場合には、その届出を受けた日から行うものとする。

地方公務員等共済組合法施行令

(被扶養者)

第3条 法第2条第1項第2号に規定する主として組合員の収入により生計を維持することの認定に関しては、一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号)第11条第2項に規定する扶養親族に係る扶養の事実の認定の例及び健康保険法(大正11年法律第70号)における被扶養者の認定の取扱いを参酌して、総務大臣の定めるところによる。

地方公務員等共済組合法施行規程

(被扶養者の申告)

第94条 組合員となつた者に被扶養者の要件を備える者がある場合又は組合員について被扶養者の要件を備える者が生じた場合若しくは被扶養者がその要件を欠くに至つた場合には、その組合員は、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した被扶養者申告書を組合に提出しなければならない。ただし、後期高齢者医療の被保険者等に該当し被扶養者がその要件を欠くに至つた場合で、組合がその事実を組合員原票、被扶養者申告書その他組合が保有する書面により確認したときは、この限りでない。

一 組合員の氏名及び住所並びに組合員証の記号及び番号又は個人番号

二 被扶養者の要件を備える者又は被扶養者の要件を欠くに至つた者の氏名、性別、生年月日、職業、年間所得推計額、住所及び個人番号並びにその者と組合員との身分関係

三 被扶養者の要件を備えるに至つた年月日又は被扶養者の要件を欠くに至つた年月日及びその理由

四 その他必要な事項

2 前項の規定によつて被扶養者申告書に記載することとされた事項のうち、個人番号については、被扶養者がその要件を欠くに至つたとき又は組合が地方公共団体情報システム機構等から個人番号の提供を受けることができるときは、当該被扶養者申告書に記載することを要しないものとする。

(組合員証の検認等)

第97条 組合は、組合の定めるところにより、組合員証の検認又は更新をするものとする。

2 組合員は、検認、更新又は記載事項の訂正のため、組合員証の提出を求められたときは、遅滞なく、これを組合に提出しなければならない。

3 組合は、前項の規定により組合員証の提出を受けたときは、遅滞なく、これを検認し、更新し、又は記載事項を訂正して、その者に交付しなければならない。

4 第一項の規定により検認又は更新を行なつた場合において、その検認又は更新を受けない組合員証は無効とする。

(組合員被扶養者証)

第100条 組合は、第94条の申告書(組合員について被扶養者がその要件を欠くに至つた場合を除く。)を受理したときは、遅滞なく、別紙様式第19号による組合員被扶養者証を作成し、組合員に交付しなければならない。

2 第95条から前条までの規定は、組合員被扶養者証について準用する。この場合において、前条中「別紙様式第17号による組合員証整理簿」とあるのは「別紙様式第19号の2による組合員被扶養者証整理簿」と、「、組合員証」とあるのは「、組合員被扶養者証」と読み替えるものとする。

地方公務員等共済組合法運用方針

第1章 地方公務員等共済組合法関係

第2条関係

施行令第2条

一 共済組合の組合員、健康保険の被保険者又は船員保険の被保険者である者は、これを被扶養者として取り扱わない。

二 次に掲げる者は、「主として組合員の収入により生計を維持する者」に該当しない。

(一) その者について当該組合員以外の者が一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号。以下「一般職給与法」という。)第11条第1項の規定に相当する給与条例の規定による扶養手当又はこれに相当する手当を地方公共団体、国その他から受けている者

(二) 組合員が他の者と共同して同一人を扶養する場合において、社会通念上、その組合員が主たる扶養者でない者

(三) 年額130万円以上の所得がある者(国民年金法(昭和34年法律第141号)及び厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)に基づく年金たる給付その他の公的な年金たる給付のうち障害を支給事由とする給付の受給要件に該当する程度の障害を有する者である場合又は60歳以上の者である場合にあつては、年額180万円以上の所得がある者)

三 二の(三)の所得は、被扶養者としようとするときにおける恒常的な所得の現況により算定する。従つて、過去において二の(三)に定める金額以上の所得があつた場合においても、現在所得がないときは、これに該当しない。

四 主として組合員の収入により生計を維持することの認定に関しては、18歳未満の者、60歳以上の者、一般職給与法第11条に相当する給与条例の規定により扶養親族(給与条例の適用を受けない組合員にあつては、これに相当するもの)とされている者、学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校の学生(同法第44条、第45条、第54条及び第54条の2に規定する定時制課程の学生、通信制課程の学生、夜間課程の学生及び通信による教育を受けている学生を除く。)、所得税法(昭和40年法律第33号)第2条第1項第33号又は第34号に規定する控除対象配偶者又は扶養親族とされている者及び病気又は負傷のため就労能力を失つている者を除き、通常稼働能力があるものと考えられる場合が多いので、扶養事実及び扶養しなければならない事情を具体的に調査確認して処理するものとする。なお、これらの者あつても二の(一)から(三)までに該当することが明らかなものは、被扶養者には該当しない。

五 「組合員と同一の世帯に属する」とは、組合員と生計を共にし、かつ、同居している場合をいう。ただし、病院勤務の看護師のように勤務上別居を要する場合若しくはこれに準ずる場合又は転勤等に際して自己の都合により一時的に別居を余儀なくされる場合には、同居していることを要しない。

(組合員証の検認等)

第6条の2 組合は、必要に応じて、施行規程第97条(第100条第2項、第100条の2第3項、第106条の3第5項、第110条の5第5項、第110条の6第6項、第176条第3項及び第184条第3項において準用する場合を含む。)の規定に基づく組合員証、組合員被扶養者証、高齢受給者証、標準負担額減額認定証、限度額適用・標準負担額減額認定証、特定疾病療養受療証、船員組合員証、船員組合員被扶養者証、任意継続組合員証及び任意継続組合員被扶養者証について検認又は更新を行うものとする。この場合において、その実施については、理事長が別に定める。

健康保険法

(定義)

第3条 この法律において「被保険者」とは、適用事業所に使用される者及び任意継続被保険者をいう。ただし、次の各号のいずれかに該当する者は、日雇特例被保険者となる場合を除き、被保険者となることができない。

2~6略

7 この法律において「被扶養者」とは、次に掲げる者で、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者は、この限りでない。

一 被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。以下この項において同じ。)の直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この項において同じ。)、子、孫及び兄弟姉妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの

二 被保険者の三親等内の親族で前号に掲げる者以外のものであって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの

三 被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの

四 前号の配偶者の死亡後におけるその父母及び子であって、引き続きその被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの

民法

(同居、協力及び扶助の義務)

第752条 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

(婚姻費用の分担)

第760条 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。

(日常の家事に関する債務の連帯責任)

第761条 夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。

(夫婦間における財産の帰属)

第762条 夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。

2 夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。

(扶養義務者)

第877条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。

3 前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。

(扶養の順位)

第878条 扶養をする義務のある者が数人ある場合において、扶養をすべき者の順序について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。扶養を受ける権利のある者が数人ある場合において、扶養義務者の資力がその全員を扶養するのに足りないときの扶養を受けるべき者の順序についても、同様とする。

被扶養者認定関連通達等

・収入がある者についての被扶養者の認定について(昭和52年4月6日 保発第9号・庁保発第9号 各道府県知事あて厚生省保険局長・社会保険庁医療保険部長通知)

健康保険法第一条第二項各号に規定する被扶養者の認定要件のうち「主トシテ其ノ被保険者ニ依リ生計ヲ維持スルモノ」に該当するか否かの判定は、専らその者の収入及び被保険者との関連における生活の実態を勘案して、保険者が行う取扱いとしてきたところであるが、保険者により、場合によっては、その判定に差異が見受けられるという問題も生じているので、今後、左記要領を参考として被扶養者の認定を行われたい。

なお、貴管下健康保険組合に対しては、この取扱要領の周知方につき、ご配意願いたい。

1 被扶養者としての届出に係る者(以下「認定対象者」という。)が被保険者と同一世帯に属している場合

(1) 認定対象者の年間収入が一三〇万円未満(認定対象者が六〇歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の二分の一未満である場合は、原則として被扶養者に該当するものとすること。

(2) 前記(1)の条件に該当しない場合であっても、当該認定対象者の年間収入が一三〇万円未満(認定対象者が六〇歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上廻らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えないこと。

2 認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合

認定対象者の年間収入が、一三〇万円未満(認定対象者が六〇歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助に依る収入額より少ない場合には、原則として被扶養者に該当するものとすること。

3 前記1及び2により被扶養者の認定を行うことが実態と著しくかけ離れたものとなり、かつ、社会通念上妥当性を欠くこととなると認められる場合には、その具体的事情に照らし最も妥当と認められる認定を行うものとすること。

4 前記取扱いによる被扶養者の認定は、今後の被扶養者の認定について行うものとすること。

5 被扶養者の認定をめぐって、関係者間に問題が生じている場合には、被保険者又は関係保険者の申し立てにより、被保険者の勤務する事業所の所在地の都道府県保険課長が関係者の意見を聴き適宜必要な指導を行うものとすること。

6 この取扱いは、健康保険法に基づく被扶養者の認定について行うものであるが、この他に船員保険法第一条第三項各号に規定する被扶養者の認定についてもこれに準じて取り扱うものとすること。

・夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について(令和3年4月30日 保保発0430第2号・保国発0430第1号 都道府県民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)・全国健康保険協会・健康保険組合・健康保険組合連合会・地方厚生(支)局あて厚生労働省保険局保険課長・厚生労働省保険局国民健康保険課長連名通知)

夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定については、「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について」(昭和60年6月13日付け保険発第66号・庁保険発第22号通知。以下「昭和60年通知」という。)により対応いただいているところであるが、令和元年に成立した医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律(令和元年法律第9号)に対する附帯決議として、「年収がほぼ同じ夫婦の子について、保険者間でいずれの被扶養者とするかを調整する間、その子が無保険状態となって償還払いを強いられることのないよう、被扶養認定の具体的かつ明確な基準を策定すること」が付されたところである。

これを踏まえ、夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について、今般、別紙のとおり行うこととしたので、円滑に運営いただくとともに、都道府県におかれては貴管内市町村(特別区を含む。)及び国民健康保険組合に周知いただくようお願いする。

なお、本通知をもって昭和60年通知は廃止する。

〔別紙〕

夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について

1 夫婦とも被用者保険の被保険者の場合には、以下の取扱いとする。

(1) 被扶養者とすべき者の員数にかかわらず、被保険者の年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだものとする。以下同じ。)が多い方の被扶養者とする。

(2) 夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。

(3) 夫婦の双方又はいずれか一方が共済組合の組合員であって、その者に被扶養者とすべき者に係る扶養手当又はこれに相当する手当(以下「扶養手当等」という。)の支給が認定されている場合には、その認定を受けている者の被扶養者として差し支えない。

なお、扶養手当等の支給が認定されていないことのみを理由に被扶養者として認定しないことはできない。

(4) 被扶養者として認定しない保険者等は、当該決定に係る通知を発出する。

当該通知には、認定しなかった理由(年間収入の見込み額等)、加入者の標準報酬月額、届出日及び決定日を記載することが望ましい。

被保険者は当該通知を届出に添えて次に届出を行う保険者等に提出する。

(5) (4)により他保険者等が発出した不認定に係る通知とともに届出を受けた保険者等は、当該通知に基づいて届出を審査することとし、他保険者等の決定につき疑義がある場合には、届出を受理した日より5日以内(書類不備の是正を求める期間及び土日祝日を除く。)に、不認定に係る通知を発出した他保険者等と、いずれの者の被扶養者とすべきか年間収入の算出根拠を明らかにした上で協議する。

この協議が整わない場合には、初めに届出を受理した保険者等に届出が提出された日の属する月の標準報酬月額が高い方の被扶養者とする。

標準報酬月額が同額の場合は、被保険者の届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。なお、標準報酬月額に遡及訂正があった結果、上記決定が覆る場合は、遡及が判明した時点から将来に向かって決定を改める。

(6) 夫婦の年間収入比較に係る添付書類は、保険者判断として差し支えない。

2 夫婦の一方が国民健康保険の被保険者の場合には、以下の取扱いとする。

(1) 被用者保険の被保険者については年間収入を、国民健康保険の被保険者については直近の年間所得で見込んだ年間収入を比較し、いずれか多い方を主として生計を維持する者とする。

(2) 被扶養者として認定しない保険者等は、当該決定に係る通知を発出する。当該通知には、認定しなかった理由(年間収入の見込み額等)、届出日及び決定日を記載することが望ましい。

被保険者は当該通知を届出に添えて国民健康保険の保険者に提出する。

(3) 被扶養者として認定されないことにつき国民健康保険の保険者に疑義がある場合には、届出を受理した日より5日以内(書類不備の是正を求める期間及び土日祝日を除く。)に、不認定に係る通知を発出した被用者保険の保険者等と協議する。

この協議が整わない場合には、直近の課税(非課税)証明書の所得金額が多い方を主として生計を維持する者とする。

3 主として生計を維持する者が健康保険法(大正11年法律第70号)第43条の2に定める育児休業等を取得した場合、当該休業期間中は、被扶養者の地位安定の観点から特例的に被扶養者を異動しないこととする。

ただし、新たに誕生した子については、改めて上記1又は2の認定手続きを行うこととする。

4 年間収入の逆転に伴い被扶養者認定を削除する場合は、年間収入が多くなった被保険者の方の保険者等が認定することを確認してから削除することとする。

5 被扶養者の認定後、その結果に異議がある場合には、被保険者又は関係保険者の申立てにより、被保険者の勤務する事業所の所在地の地方厚生(支)局保険主管課長(以下「保険課長」という。)が関係保険者の意見を聞き、斡旋を行うものとする。

各被保険者の勤務する事業所の所在地が異なる場合には、申立てを受けた保険課長が上記斡旋を行い、その後、相手方の保険課長に連絡するものとする。

6 前記1から5までの取扱基準は、令和3年8月1日から適用する。

被扶養者認定取扱基準

令和3年2月18日 種別なし

(令和5年4月1日施行)