16世紀後半にこの地方にキリシタン集団が生まれました。キリシタン弾圧の時期は隠れキリシタンとして、1892年の信徒発見までその存在は明らかではありませんでした。双塔ロマネスク様式のレンガ造の今村天主堂は、本田保神父が熱心な信者のもと建設を計画し、信者の奉仕作業、外国からの資金援助を受け大正2年に完成しました。設計施工は、当時の教会建築の名工 鉄川与助氏で、彼の作品の中でも最大かつ秀逸なものとなっています。100年の時を超えた現在も信仰の場となっており、平成27年、国の重要文化財に指定されました。
大刀洗町は、福岡県の中南域、筑後川の中流域北部に位置した総面積22.83k㎡の平坦な農業地域です。総面積の6割を占める農地は、筑後川の潤沢な水によって育まれた豊かな土壌に恵まれ、米・麦・大豆はもとより、四季折々に多品種の野菜が栽培されています。
歴史的には、南北朝時代の武将 菊池武光公が大原合戦の後、小川で太刀を洗った事が町名の由来になっています。また、戦時中は、東洋一といわれた陸軍の航空基地「大刀洗飛行場」があり、飛行訓練を受けた多くの若者が世界各地の戦地へ送られ尊い命を失いました。
現在では、大分自動車道のインターに近いなど交通の便がよいこともあり、北部地域には多くの企業が進出し、住宅地としても発展しています。
近年では、農産品等の海外展開による「大刀洗ブランド」の発信、PFI方式による子育て世代向けの定住促進住宅整備、無作為抽出の住民が、町の政策課題を自分ごととして捉え、意見を出し合う「住民協議会」の実施など、地域の特色を活かした新たな取り組みを行っています。